Aya

怒りのAyaのレビュー・感想・評価

怒り(2016年製作の映画)
3.6
正直ちと長い。

私も御多分に洩れず、妻夫木くんと綾野剛目当てで見に行ったのですが・・・え、普通にいいカップルじゃん!と思った。

外国映画を見ているかのような自然なゲイのカップルなので、宮崎あおいと松山ケンイチのカップルと何も変わんない・・・あ濡れ場があるのか!

それよりもこう怒りというかイラッとしたのは妻夫木くん演じるエリートサラリーマンの生活空間ですよね!

私家でペリエ飲んでる人イラッとくるんですよw
お前それ冷蔵庫に冷やして水の代わりに飲んでるのかよ!
もうなんかウォーターサーバー置いてる人すら庶民的に感じる・・・。
挙句ピーナッツですよ!
そんな金魚鉢みたいなオシャレな入れ物にどんだけ入れるんだよ!
貧乏人の恨み辛み妬み嫉み僻みなめんなよ!と思ったw

そんな箱庭のような生活をしている妻夫木くんなのですが、お母さんは末期ガンでマメに病院にも通い、ゲイ仲間と遊びまわりなんでも笑って弱みを人に見せず靴下は履かない・・・。

そんな一見隙がなさそうな男の前に現れたのが塞ぎ込みがちな家出青年。
あのお弁当の件でズキューン!て恋に落ちたと思うの〜!
あれやりますよねぇ片手空いててもやる。

そして所は変わって沖縄では内地から引っ越してきた広瀬すずと同級生のたつやくん、そして無人島でいきなり出会ったるろうの旅人森山未來。

今まで自分の周りにいなかった種の人間に惹かれ交流を深める2人。
ああいう感覚もわかりますねぇ。
得体が知れないんだけどそこがカッコいいというか。
田中って言われた瞬間めちゃ偽名やん!てみんな思うよねw

全然関係ないのですがもりみーが生息していた廃墟が「恐怖ノ白魔人」に出てきた廃墟に建物が非常に似てまして・・・一瞬巨人が出てくるのかと思った!

広瀬すずが今、旬真っ盛りのこんな時にこんな役をやるというのはやっぱり驚きでしたね。

後、米軍問題にどこまで踏み込むのか?も気になったんだけど、米軍の描き方が、そのようにしか見えない、というか。
これは人によって感じ方が違うと思うので良きにつけ悪しきにつけ、なのですが。

なので、ボートを自分の手で漕ぎだす彼女の姿がとても尊い。

一番地味そうに見えて身近にキツいのが渡辺謙と宮崎あおい、松山ケンイチのパート。
ここだけ演技クオリティがめちゃ高い!!

アレですね宮崎あおい、言うても結構歳だよね・・・そのようなメイクなんだろうけどやっぱりなんかちょっと、と思った。

三つの物語の主軸になるのが八王子で起こった夫婦殺害事件。
現場には血で「怒」と書かれていた。
犯人のモンタージュ写真がほんと綾野剛にも、松山ケンイチにももりみーにも見える!

そして3人とも怪しいし、でもなんだか愛おしくて憎めないから犯人であって欲しくない・・・。
絶妙なキャスティングですよね!
撮り方が「あいつの声」っぽい感じで絶妙にわかりづらくしてるとことか。

刑事パートはピエール瀧さんが三浦貴大くんがなんか食べてる時に限って靴下脱いだり、下の話をわざわざするとこが最高に笑えましたねw

渡辺謙のパートが映画全体のテーマを一番強く押し出してると思うのですが、要は怒り、という普通の人には一過性のものであるのに、主軸の殺人事件の犯人にとっては、常に胸の中持ち続けている感情であること。

そしてそれ以外の人々が自分を、他人を信じる、信じてもらっていることを実感する、ということの追求ではないでしょうか。

人を信じることは実はとても怖いことで。
身内でも根底で信じられない渡辺謙。
そんな信じてもらえてない、実感が常にある宮崎あおい。
他人ならなおさら信じられないという妻夫木くん。
赤の他人なのに魅力を感じざるを得ないたつやくん。

そんないろんな人の信じる心を描いた映画なのかなぁ、と思いました。

客層がね!
中高年と若い女でw
超わかりやすい上にやはり混んでおりました。

後、これは考え方次第なのですがパンフレットの読み物が多過ぎると思うんですよ。
いくらなんでもあんなにボリューミーにしなくていいと思った。
しかも森直人さんが書いてたりお金もかかってるし。
Aya

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