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怒りのhi1oakiのレビュー・感想・評価

怒り(2016年製作の映画)
4.1
原作小説は未読ですが、コレって映像として役者を使って表現するのがすごく難しい題材ですよね。交わることの無い3つのエピソードを付かず離れずの距離感で平行に保ち、どれも“バレない”さじ加減の情報開示、その上で“語る順番はこれ以外にない”という絶妙な構成と編集だと思います。
それに加えて役者さん達が隅から隅まで巧いこと巧いこと。ずっとふわふわしていながら哀しさを纏っているアノ人とか、壮絶な豹変を見せるアノ人とか、いつも通りに普通の人の普通な弱さを演じるアノ人とか、人格や気配の輪郭を感じさせないけど存在感はちゃんとあるアノ人とか。
ワンテーマで3エピソード作っているだけでなく、ひとつの謎が軸になっているので、観ている方は語られる話の狭間で“こいつか?いやこいつか!いやまてよ?”と揺さぶられる。
一番好きなシーンは弁当の位置を直されるとこのイチャイチャ感。
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