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シン・ゴジラのimurimuriのレビュー・感想・評価

シン・ゴジラ(2016年製作の映画)
4.5
いやーめちゃくちゃ面白かった


ただ初めに悪いところを幾つかいえば、やっぱり特撮というのを意識したせいなんだろうけど、2014年のGODZILLAなんかと比べると怪獣の造形がやはり作り物くさく見えてしまうところ(質感とか眼とか)はまぁわざとな部分があるんだろうし仕方ないとはいえ、熱心な特撮ファンではない自分からすると少し残念ではあった。
あと、やっぱり庵野だからなのか、台詞がアニメチックで幼稚っぽく聞こえてしまう部分があったり、「お前らこういう展開好きやろww」という言葉が聞こえてきそうなくらいのオタクへのサービスっぽい部分がそれなりにあったりしたのがなんとも言えない感じだった。
あと、石原さとみのあの感じがもう少し突き抜けてほしかった気がした。日本語に外国語がナチュラルに混じる系の話し方は岩井俊二のスワロウテイルが一枚も二枚も上手だったと思う。

内容としては、2014年版との比較ばかりで申し訳ないけど、2014年版がゴジラの超自然的な神としての側面というかなんというかそういう、自分たちの外側からきた超越者としてゴジラを描いていたのに対して、やはりこちらのゴジラはどちらかというと原初のゴジラに近いというか、より自分たちに近い存在として(生命の延長線上の存在として)自分たちの業が生み出してしまったのかもしれないという含意のあるような描き方をしていたっていう違いがあったような気がして面白かった。
ラストのあの不気味なカットも従来のゴジラへのリスペクトが感じられてよかったと思う。


ここ何年かで庵野監督はオタクのことが好きじゃないんかなとなんとなくと思いはじめていたんだけど、この映画の演出なりを見る限り、庵野さん自身が最強にオタク気質なんだなってめっちゃ確信した
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