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グローリー/明日への行進の千年女優のレビュー・感想・評価

グローリー/明日への行進(2014年製作の映画)
4.0
差別撤廃求めるワシントン大行進で世論を動かして1964年の7月2日、凶弾に倒れたケネディの後任ジョンソンによる公民権法制定を遂に実現したキング牧師。それでも反発は絶えず、黒人有権者登録を阻止されたアラバマ州セルマから再び行進を始めた彼らが、「血の日曜日事件」含む妨害に屈することなく歩み続ける様を描いた伝記映画です。

英国人脚本家ポール・ウェブが書き上げたプロットをブラッド・ピットのプランBエンターテインメントの製作で映画化した作品で、監督は当初のリー・ダニエルズから女性監督のエイヴァ・デュヴァーネイが引き継ぎ、キャストの熱演と感動的な物語が賞賛されてアカデミー賞では作品賞のノミネートと"Glory"の主題歌賞の受賞を実現しました。

事実と異なるとして批判も起こった作中ではヒール役のジョンソン大統領の扱いについては気の毒な所はありますが、普遍性を備えた歴史的事実を印象的なエピソードで語る外れなしの義憤物語になっています。「行進」という行為が、そのまま文明として文字通りの「進歩」を表す映像との相性の良さを活かして大衆的な高揚を呼ぶ一作です。
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