ミカポンタス

ホワイト・ゴッド 少女と犬の狂詩曲のミカポンタスのレビュー・感想・評価

4.5
まさに衝撃作と言える作品に久々に出会った。
今年観た中でもトップ5に入る勢い。

ほとんどあらすじも知らずに観たんですが、まんまと罠にハマっちゃった感じです。まさか号泣するとは。
犬の映画でこんなに感動したのは、ベートーベンと101以来やも。(笑)
とは言いつつも、動物の映画ってこういうだいたい子供向けが大半だと思いますが、これはもう根本から違ってシリアスである意味
リアルなので、R15に相当するレベルだと思う。笑

ヨーロッパ諸国における捨て犬事情って全く知らなかったんですが、雑種を飼っているというだけで税金を納めないといけないんですね。冷や汗がでる、、。
にしても、その現実的なテーマを映画を通して世界につきつけ、あれほどまで大胆ではあるが非現実的な描写を用いているところもあったりどこかファンタジックな部分もあって面白い。
ハンガリーの映画は初めて観ましたが、カンヌ映画祭で"ある視点"部門グランプリを獲るだけあって、さすがこういう静寂の中にある狂気の描き方のセンスはバツグンでした。クラシック音楽の使い方もパーフェクト。

パルムドッグ賞だってそりゃ獲るわ。注目すべきなのは何と言っても、ハーゲンことLukeくん。なんてイケメン犬なんだ!
一番感動したのは、エンドロールでクレジットに犬の名前まで出ていたこと。Lukeくんにスタンディングオベーションを捧げたいくらいですほんと。
表情の変化や、微妙な間とかの演技が半端なく上手いし、(って犬に言うのもなんか違和感ありますが笑)どう訓練したらあんな天才犬が育つんだ!と、上映中何度も疑問と感心で落ち着かなかったw

もちろんリリ役の女の子もめちゃくちゃ上手くてびっくりしました。あの幼さの中にも独特なクールさと色気を併せ持ってる印象。将来が楽しみです。

私は昔から犬は大好きだったのに飼えなかったので、ディズニーや実写の犬映画を大量に観て我慢していた子供の頃を思い出しました。(笑)
そんな中でもこれは今まで観たそういう類の映画の中でも最も良い意味での問題作で、貴重な一本になりました。