実のところ何の気なしに観た映画だったけど、親の立場にある自分は観るべき作品だったと思う。
ポップな邦題に良くも悪くも騙された。(原題はCaptain Fantastic。全然違うやないかい。)
なぜか私と友人はこの映画をコメディだと思って見始めたのだけど、コメディ要素はゼロだった。
重い。ひたすら重い。生と死、精神疾患、親族との確執、法律と倫理観…
シリアスである。終始真顔の私たち…
人里離れた山奥で現代文明から距離をおいて暮らす一家を最初から最後まで描いているが、何が正しいのかを根底から問い直されてる感じがした。
とはいえ、現代を生きる母親として、主人公である父親のベン(ヴィゴ・モーテンセン)に対して、「いや、親父それはないわ」「あかんやろ」とツっこみまくる私たち。
多分この映画は倫理観や教育に対する価値観が近い人と観た方がモヤらなくて済むと思う。
あと、親の毒が強すぎた人にとっては閲覧注意かも。子どもたちが泣いて憔悴しているのを見るのはつらい。
何が人として正しい生き方かを説くよりも、子どもたちにとっては、「あなたが大切だ」と伝えること、ただ抱きしめることが必要なのではないか。
そう思った。
あと、ヴィゴ•モーテンセンが髭を剃った後の破壊力な…皆まで言わん。見てください。
この映画を見た人とあれこれ語らいたくなる作品だった。
