Miki

ドリームのMikiのネタバレレビュー・内容・結末

ドリーム(2016年製作の映画)
4.3

このレビューはネタバレを含みます

私にとって心から観てよかったと思える映画の一つ。

舞台は今から60年前の時代、まだまだ黒人差別が苛烈なアメリカ。
NASAの研究所で働く三人の黒人女性キャサリン、ドロシー、メアリーが、様々な差別に苦しまされながらも活躍し、認められ、それぞれの幸福を追求する、実話を基にした伝記映画。

原題の『Hidden Figures』をまさに体現したような話だった。
黒人差別も、女性差別も、映像化して目にするとよりキツい。

友人と終始観ながら憤っていた。「実際に繰り返し嫌な思いを子ども時代からし続けたら、そりゃ頑張る気力もへし折られるよね」と。

この時代もまだ白人用スペースと黒人用スペースが分けられていたなんて(トイレや図書館ですら!)、あまりよく知らなかったことを恥じた。
なぜ差別される側がこんなにも戦わなければいけないのだろうと暗い気持ちになる。

人種や性別による差別に晒される中でも、着実に果敢に奮闘し、自分たちの力を発揮しようとするキャサリンたち三人の女性たちが頼もしくもあり、正当な評価をしろよ!と腹立たしい気持ちにもなり…

正直、あまり美談のようには取り扱って欲しくないなとは感じる。
マジョリティである白人側の無自覚な差別意識や傲慢さもそこそこちゃんと描かれていたとは思うけど。
(史実と違う点も多々あるそうだけど。)

宇宙好きとしても胸熱な映画だけど、宇宙に挑戦する人々の勇敢さを地球上の問題に向き合い使うようにしたら良いのに…と思わざるを得なかった。
それでも、宇宙に向けて一歩踏み出す勇気を持ち寄る時に、人種や性別の壁を越えられる可能性を見出したくなった。

人類にとって進歩とは一体何なんだろう。
きっとこれからも私たちは死ぬまで模索し続けるけど、キャサリンたちのように諦めないでいたいと思った。

あとオクタヴィア•スペンサーはやはり素敵。推せる。
Miki

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