msy

はじまりへの旅のmsyのレビュー・感想・評価

はじまりへの旅(2016年製作の映画)
4.1
先日観たコヤニスカッツィで、
皆々、目を覚ますのだ
ってメッセージを受け取った我々は
どうしたらいいのか。

その答えの1つがこの作品でした。

子ども達を学校へ行かせず
父親が全ての教育を施す。
動物を狩って捌いて食べる。
火は熾す。
山を駆ける、岩肌を登る。
格闘技を教え込む。兄弟同士で戦う。
夜は読書に励む。
感想は「興味深い」と言ってはならない。本の内容を説明することにも意味がない。
自分がどう受け取ったかを
自分の言葉で述べるべき。
クリスマスは祝わず
家族で祝うのは
ノーム・チョムスキーの誕生日。

それらをブレることなく
くまなく6人の我が子たち施すっていう
ヴィゴ・モーテンセンが
恐ろしくカッコイイキャプテンなのです。

邦題、ひらがなで「はじまり」とか
本当にもうやめれ。
そういうんじゃないから。
特にこの作品全然違うから。
あとポスターもカラフルでめっちゃ
素敵やけどそういうんじゃないから。

あれは母親の大事なセレモニーでの
彼らなりの一張羅であって
キャプテンに従う
子ども達の気高い姿ですけど、
世間との軋轢をまざまざと感じる
重たい場面ですよ。

そこから、ママを救え!作戦で
さらにカルトの様相を呈して来るので
絶句しながらも
ただただ純粋な動機に
家族が良かったらそれでいいんや、
って涙が出そうになる。

そしてそこから、
軋轢を受け止めてやんわりと
世間に向けて家族の舵の向きを変える
キャプテンの英断。
コヤニスカッツィの答えにちょうどいい、
これぐらいなら、できるかも?
って、はじめハードすぎただけに
ちょっとやれそうな気がして来る、
ファンタスティックな締め方でした。
msy

msy