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哀れなるものたちのmsyのネタバレレビュー・内容・結末

哀れなるものたち(2023年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

なんてすごい映画なんだ…
神様が人間に向けて描いた絵本みたいだった…
人類がずっと愚かだから…ほとんどの人が自分に落とし込めるメッセージがあって、けれど絵本だからみんなの興味をひく絵が何よりメイン。なんなんだあの豪華客船は…リスボンの街は…パリの娼館は…

そしてベラの衣装。最高だった。女王陛下のお気に入りに続いて、ダンスシーンも最高すぎ。

自分の子の脳が体に移植されるのなんとも言えない気持ちになった。子は時に親の枷になる、人質になる、自分に取り込むことができたならこんな安心なことはない。子も母親と一体になればその愛を一生独り占めできる…あの夫が子の親になるよりもその前に一緒に死のう。そう判断したベラを思えば胸がいっぱいになる姿だった。
ベラははじめ、ずっと目を見開いているが最後のあの目線、迷いも不安もなく落ち着いて文字に目を落としている。神様今の私なりに伝わりました…メッセージ…ヨルゴス・ランティモスほぼ神様…

後日原作読んだ。ベラが書いた手紙の内容で物語が展開するなどの面白さはあれど情報量多め文章長めで読むのに苦労してたら最終章のベラからの記述にビックリ。こういう仕掛けだったのか…このどんでん返しを安易に採用せず、ベラの目覚めをシンプルに描いた映画版逆にすごいなって思った。そして説教じみないように芸術点に心血注いであるのほんとに素晴らしい。マッキャンドルズが賢者で終わったのも面白い。
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