いののん

ボーダーラインのいののんのレビュー・感想・評価

ボーダーライン(2015年製作の映画)
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特にこの頃、観ている映画は繋がっている。繋がっているようには見えなくても、私の中では繋がっている。法に基づく検視や、法の遵守などをめぐって、書類にサインを迫られる検察官やFBI捜査官。映画『PASSION』のなかでも次のような言葉があった。「法律は罰を与えるだけ」「法律はかたちをかえた暴力」「法律はバランスをとって暴力を見えなくするだけ」


無法国家よりも法治国家の方がずっとマシだとは思うが(当たり前か)、法はもちろん万全ではない。負の連鎖は止めなければならない、暴力の連鎖は止めなければならない、そんなこたわかってる。けど、でも、法律も暴力だとするならば、法による裁きに変えて自らの手で報復するのはいけないことなのか。もうアタシの弱い頭ではわからない。そんなに簡単にスッキリとした答えはだせない。考えたらアタシは、結構長いことそれについて考えているような気もするのだけれど、それは気のせいかもしれない、全然わからない。価値観をぐらぐらと揺さぶられたまま、自分の心の中でだけで考えたって1歩も動けないんだから、わからないままにそれでも映画を観ていこうと思う。


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・デル・トロの切実さ、サノスの余裕。この2人を相手にするなんて、たまったもんじゃありません

・男に、ブラ問題やTシャツ問題を、指摘されてもいいんかーい、てか、指摘されても全く動じないんかーい!(それくらい大変なのね)

・サッカー少年が、このあとも健やかに育っていくことを心から願う
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