いずみたつや

エスコバル 楽園の掟のいずみたつやのレビュー・感想・評価

エスコバル 楽園の掟(2014年製作の映画)
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エスコバルは「正義」と「悪」が表裏一体であることを体現するような存在です。庶民から英雄視された犯罪者ボニー&クライドの車を所有していたという話も非常に分かりやすいなあ、という感じです。

この映画はそういった彼の二面性を描きつつも、下手に善人っぽく描くことは避けているように感じます。その結果、伝記というよりはエンターテインメント作品として、ハラハラドキドキの見やすい娯楽作品になっていました。

一方で、暴力の怖さについてはマイルドにしていないことが好感を持てました。厳しいラストもグッとくるものがあります。

今作はなんと言ってもベニチオ・デル・トロの強烈な演技が見所のひとつ。優しく笑っているようでも、目の奥には何を考えているのか分からない闇がじっとりと張り付いていて本当に恐ろしいです。