ヒュー・ジャックマンのワンマンショーという感じがした。良くも悪くも。
まず文句無しに素晴らしいのは歌とミュージカルシーン。オープニングのクレジットから凄い。ここだけでも観る価値があると思う。そしてやはりthis is meの曲のパワーというのは凄まじい。ザック・エフロンとゼンデイヤのデュエット曲も良かったなあ。
キャストについては、まずシャツを脱がない、真面目なザック・エフロンを久々に観た笑
当たり前だけど、本来は歌って踊れる人なんだなーと改めて実感。そして大好きミシェル・ウィリアムズが笑顔で明るくて歌も歌っちゃうし珍しいなーと思ってたら、後半では夫に愛想を尽かす十八番の展開もきっちり見れて大満足。
ただ…ここからは苦言になってしまうんだけど、ストーリーにイマイチ乗り切れない。サクセスストーリーに苦労や葛藤がないためカタルシスも感じられないし、マイノリティーに対する扱いの結論も結局あやふやなまま終わっているし、ちょっとモヤモヤする。あとこれは展開としては狙い通りなんだろうけど、ヒュー・ジャックマン演じるバーナムが全然正しくない人というか、人としてどうなのかと思うところが多すぎて、全然共感できなくて、これはどうなんだろう。個人的に本当に嫌いなタイプの人。この映画の製作にはヒュー・ジャックマンが積極的に関わってたっていう話を聞いてたからか、ちょっと役柄と本人が重なって、かなり自己主張の強い人間に見えて、ちょっと好感度下がった。
主人公の人柄とか、ストーリー展開とかが「SING /シング」と似てて、こっちの方が曲もオリジナルでパワーはあるのに、あんまり好感が持てなかったのはなんでだろうと考えたら、やっぱキャラの掘り下げが足りないのでは。作中で全然触れられないキャラクターも大勢いる上、彼らが受けてきた差別や偏見と言った描写が少ない上、表面的だから、ヒュー・ジャックマンのワンマンショー的に見えてしまうのかも。
まあ、ミュージカルシーンや曲に文句をつけるところは一切ないから、大抵の人はちゃんと楽しめると思う。本当に曲はいいからサントラは欲しい。
