いずみたつや

ネオン・デーモンのいずみたつやのレビュー・感想・評価

ネオン・デーモン(2016年製作の映画)
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極彩色の映像と美女が画面を埋め尽くす光景に息を呑みました。

モデル業界の深い闇を描くという、いつになくキャッチーな題材ですが、"血と暴力がはびこる世界"という意味ではいかにもレフンらしい作品のようにも思えます。

現代のモデル業界について描く、ということは「現代の美的感覚への考察」に他ならないわけですが、監督は"現代の美"に非常に批判的なことがうかがえます。

美がまるで病のように伝染し、嫉妬心や承認欲求の混沌の果てにたどり着く異常な世界に、現代の美がいかに"ハリボテ"であるかを見せます。

さらにこの映画全体を"ラブレター"として提示する狂気には感服しました。