グラッデン

MERU/メルーのグラッデンのレビュー・感想・評価

MERU/メルー(2014年製作の映画)
3.7
難攻不落のヒマラヤ・メルー峰の登頂に挑んだ登山家たちのドキュメンタリー。

率直に、登山家とは「山に魂を引かれた人々」だと改めて痛感する作品でした。

命を落とす可能性もある危険な挑戦を「頂から見える美しい景色を見たい」という思いをエンジンにして動けることは、冷静に考えて物凄いことだと思います。

特に、本作の監督を含めたメンバーについては、生死の狭間を行き来するような大怪我、雪崩との遭遇といった、フィクションのような過酷な体験を経てもなお、一度挫折したメルーに再度トライしようとします。

変な話ですが、心中としては「もう登らないでくれ」と願っていたほどです。

一方、そんな彼ら登山家たちの魂を引き寄せる、美しくも恐ろしいメルーの姿には、とにかく圧倒されます。人間が挑むには無謀ではないか、ひれ伏すしかないと感じさせます。

トライや撤退の決断=生死の駆け引きであり、その末に辿り着いた風景と、自然と漏れ出た彼らの肉声に強い生命力を感じました。

人間ってスゴい。