元々、シアーシャ・ローナンのファン。
だからこそ今回の彼女の増量加減に最初、驚き。
そして、緑や紺、茶の服の野暮ったさと、鈍重さが目について。
もちろん、それは計算に基づいたもの。
主人公が外に目を向け、顔を上げ、笑顔を浮かぶたびに、色が鮮やかに、明るく変化する。
ここらへんの美術と衣装が実に素晴らしかった。
単なる故郷を捨てて都会へ、という話ではなく、揺り戻しと迷いと決意が実にいいブレンドをしてて。
最後の船上での語りかけるシーン。
過去の自分に語りかけるように。
ここで、グッとこない人はいないだろう。
誰でも、いつか居心地のいい「故郷」を捨てて、新しい自分の「家」を作ろうともがくのだから。
慎ましい人々の有り様も好感を持てた。
良作!