ユースケ

ゴースト・イン・ザ・シェルのユースケのネタバレレビュー・内容・結末

3.0

このレビューはネタバレを含みます

士郎正宗の漫画【攻殻機動隊(GHOST IN THE SHELL )】のハリウッドによる実写映画化は、アニメ版とは別物として期待せずに鑑賞すれば腹を立てずに済むくらいの一本。
新約聖書からの引用も難解な会話も川井憲次の音楽もないので、押井守監督の【GHOST IN THE SHELL /攻殻機動隊】の実写映画化を期待して鑑賞すると肩透かしを食らうのでご注意下さい。

押井守監督の【GHOST IN THE SHELL /攻殻機動隊】をベースに、【イノセンス】や【攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX】シリーズのいいとこ取りを狙った作品のようでしたが、最新のCGを大量投入して作り上げられた映像はアニメの再現シーンを含めてハッキリ言って微妙というかダサい。オマージュも大量投入されていましたが、あざと過ぎてアリバイ作りにしか感じませんでした。
テーマも「自分とは何か?」「生命とは何か?」という哲学的なものから「テクノロジー依存への警鐘」という小さなものになってしまっているのも残念。

しかし、悪いところばかりではありません。ところどころ良いシーンはあったと思うし、何よりも日本語吹き替え版ではアニメーションと同じ声優をあてるという粋な計らいが素晴らしい。
田中敦子の草薙素子、大塚明夫のバトー、山寺宏一のトグサ、仲野裕のイシカワ。声優の声の力によって、バッググラウンドの描かれないカラッポなキャラクターに魂(ゴースト)が宿るのを感じました。どうせだったら、北野武が演じた荒巻大輔も大木民夫に吹き替えて欲しかったです。

とりあえず、【AKIRA】と【攻殻機動隊(GHOST IN THE SHELL )】をオマージュしまくった【LUCY/ルーシー】で草薙素子役を手に入れたスカーレット・ヨハンソンのムチムチのカーヴィーボディが堪能できるピチピチの光学迷彩スーツが目当てくらいの軽い気持ちで鑑賞しましょう。特殊メイクなしで芸者ロボットを演じた福島リラも要チェックです。