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プティ・カンカンのarchのレビュー・感想・評価

プティ・カンカン(2014年製作の映画)
4.0
ゆるーい雰囲気の中で殺人事件が発生し、それを解決する気配も一切泣くただ日常が流れていく。こんなにも事件が解決しそうにない話もない、というかその殺人事件がある意味自然の摂理かの如く、抗えない事象のように本作には存在している。それは正しく少年プティ・カンカンの無関心さや刑事の無能さによって発生しているわけであり、そんな無情無秩序が、田舎というクローズドな空間の無関心さと不道徳さによって成立しているところが本作の面白さだろう。(ところどころ声を上げて笑ってしまうようなシーンがあり、そこも見どころ。)

今にも壊れそうな危ういバランスの構造物でありながら、それが何年もバランスを保っているが故に壊れえないという貫禄がある、そんな雰囲気を映画内の田舎町に感じさせる。多分こ田舎の平和は絶対に壊れないのだろう。何人死んでも壊れえない。そんな中で悪魔的な死が連続で起こる。その壊れえない平和と悪魔的な不条理な殺人、それが拮抗しているような感覚が常にあってそこが良かった。
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