ロビン

エール!のロビンのレビュー・感想・評価

エール!(2014年製作の映画)
3.8
『CODA』がとっても良かったので、オリジナルのフランス版も鑑賞。

『CODA』では漁師で生計を立てる家族がかなり経済的に困窮している状況に比べると、こちらは酪農を営む家族で住んでる家も素敵だしそこそこ裕福に見えてしまって、唯一の健聴者である長女のポーラが居ないと困るという切羽詰まったモノがあまり感じられず、ポーラの代わりとなる“通訳”を雇う余裕がありそうに感じられてしまい、『CODA』よりもちょっと感情移入できなかったかなと。

それと、『CODA』では弟ではなく兄という設定が凄く効いている。
また、途中で父親が選挙に出る描写も個人的には邪魔に思えた。
しかしながら、終盤はオリジナルの方が『CODA』を上回るんじゃないかという感動を与えてくれる。

そして顧問のトマソン先生、ちょっと『CODA』のベルナルド先生と比べると「こりゃキャラが弱いかな?」と思ったけど、やっぱり最後にやってくれる!
素晴らしかった!
それにしても、歌わせてる曲の歌詞が刺激が強過ぎて高校生が歌うような歌詞の内容じゃないのよね~笑
フランスと日本との文化の違いなのかな。

やはりこういう境遇で育てば、小さい頃から家族のための“通訳”とならなければという使命感は当然生まれてしまうと思う。
でも、自分の人生を生きたいと思うのも必然的なこと。
ただ、それをすぐに受け止められない家族。
一般的な家族形体ならば子供は親の道具ではないのだから、それより子供の“夢”を応援したい気持ちが勝るのではと想像してしまうけど、そんな簡単なことではないんだろうなと。
やはり、唯一の健聴者である娘に依存してしまうのは、当然なのかもしれない。。


【ネタバレ】
  ↓









学校で歌を披露した後トマソン先生がポーラの両親に会い「娘さんは才能がある、応援してあげてくれないか?」と言うけれど、ポーラの手話の通訳無しに話が理解できない両親にポーラはその話を訳さないシーンはとても切ない。。

やはり父親がポーラの喉元に手を当てて振動を感じ取ろうとするシーンは素敵なシーン!

ラスト、オーディションでトマソン先生が急いでオーディション会場に駆けつけてピアノの伴奏と「目を閉じて飛ぶんだ」とアドバイスをするシーンはグッとくる。
そしてポーラの歌+手話のシーンは、なんか尊いものを見ている気がして涙が止まらない。。
トマソン先生がポーラが歌い終った後に審査員の人たちと握手しているシーンもなんだか好き。
それとポーラの歌+手話を観た両親の喜ぶ姿がめちゃめちゃ良かった。
先生と抱き合う姿も。

ポーラは審査に合格して、パリに行くことになりその旅立ちの日、最後家族四人で抱き合う姿に号泣。。

エンディング見たら父親村長に当選したみたいね~笑
ロビン

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