「コーダあいのうた」を観る前に、是非とも原作を観ておきたくアマブラにて鑑賞。
主人公を観ていて「ギルバート・グレイプ」のジョニー・デップを思い出した。彼には哀憐の情がわいたが、この主人公の立場にもいたたまれないものがある。
世界で、ヤングケアラーの問題がかなり深刻になっているようで、そこをちゃんと描いているところが良かった。
この両親は幸にして、牧場経営が上手くいっているので、学校登校や普段の家事など、主人公の負担は金銭面では大丈夫なのだが、やはり主人公がいないと大変であるのは変わりない。
両親と弟の彼女への依存度が半端無いのだが、彼女がやりたい事、これからの人生を束縛する権利は無いのである。
彼女自身も忖度から、諦めようとするのだが、クライマックスに耳の不自由な父親が、まわりを見て気付くところが素晴らしく、ここに親と子との絆が、娘の旅立ちに繋がるところが素晴らしかった。
最近のフランス映画は遠慮しがちだったが、とても観やすく感動して涙した。観て良かったと思う。