にゃんこむ

A Film About Coffee ア・フィルム・アバウト・コーヒーのにゃんこむのレビュー・感想・評価

3.7
コーヒーを淹れているだけなのに映像美がすごい。

エチオピアで生まれたコーヒーが歴史とともに各地に広がり、20世紀になると家庭でも気軽に飲めるようになる。現代、コーヒーはさらに高みを目指す飲み物へ。

ただのオシャレドキュメンタリーかと思っていましたが、『おいしいコーヒーの真実』でも触れられた生産者側の現状などにも触れていて良かったです。
コーヒーの木からは450グラムほどしか豆がとれず、手作業で一粒一粒摘まなければならない。
そう考えると1杯100円のコンビニコーヒーなんて安すぎます。喫茶店のコーヒーですら、人の手や場所代を考えると原価はそう変わらないんじゃないでしょうか。
コーヒー需要が増えてきているが、農家の人々は安すぎて生活できないとコーヒーの木を伐採して他の作物を植えたりしているらしいので、コーヒーに携わる先進国の人々が生産者に還元できるよう働きかけてくれているのは嬉しくなりますね。

中盤のコーヒーの淹れ方飲み方講座はためになります。

コーヒーを淹れる人々にはそれぞれ美学があり、己が最高だと思うコーヒーを人生をかけて突き詰めています。

日本のレジェンド喫茶店「大坊珈琲」も出てきます。
豆を軽量して挽いてネルドリップするまでの動きは本当に職人技。残念ながら既に閉店しています。一度飲んでみたかった。
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