クリスマスイブを迎え、家族一同が集うクーパー家。しかし、クーパー夫妻は家族に内緒で離婚しようとし、息子はクリスマス前に失業、娘は既婚者と不倫中、祖父は若いウェイトレスが気になっているし、叔母は自らの孤独を見て見ぬふりし姉に嫉妬するばかり。様々な問題と秘密を抱えたクーパー家が集まりますが、果たして彼らに最高なクリスマスは訪れるのでしょうか。
クリスマスイブを舞台に、幸せの裏側にある孤独感や喪失感に焦点を当てたファミリー映画です。登場人物が地味に多く、次々に個別のシーンに移るため、正直、中盤くらいまで人物関係の把握に苦労します。しかし、最後はなんだかんだでまとまっており、幸せに笑い合うクーパー家から、身近なところにこそ大切な存在があるということをじんわりと感じました。
それぞれが心の奥底に抱いている悩みは、夫婦間の不仲や恋愛問題、姉妹間の嫉妬などで、現実世界の人々の生々しい問題をリアルに描いています。しかし、雰囲気が決して重苦しくないのは、軽すぎないコメディタッチであるということと、表現力豊かな俳優陣が演じているからだと思います。個人的には、パーシー巡査役のアンソニー･マッキーの、堅物だけれども人知れず悩む役所が観れて満足です。
残念ながらどの登場人物にも共感はできませんでしたが(笑)、クリスマスに家族や親戚と集まって観たい作品です。
