シネラー

スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明けのシネラーのレビュー・感想・評価

2.0
続三部作(シークエル・トリロジー)
の完結編であり、
九部作に渡るスカイウォーカー・サーガ
を締めくくる作品でもあるが、
好きな部分もありつつ
全体的には嫌いな完結編だった。

先に良かった点だが、
個々の場面としては決して悪い
作品ではなく、
チューイが泣く部分や
歴代のジェダイがレイに
語りかけてくる場面は好きな部分だ。
カイロ・レンの葛藤とその結末にも
満足ではある。
結局のところ、続三部作の中で
最も成長や葛藤が描かれたのは
主人公のレイではなく、カイロ・レン
であると感じられた。

残念に思った点で最初に思うのは、
やはり唐突なパルパティーンの復活だ。
せめて、前作までに伏線があれば
まだ納得できただろう。
次に、惑星を転々とするレイ達
を追うファースト・オーダーだ。
何度も同じようなアイテム探しで、
ワンパターンを否めなかった。
チューイの生死やC3POの記憶消去の
下りは、必要性が感じられなかった。
そして、レイの正体だ。
前作で血統の脱却を図ったのに対し、
本作は再び血統の物語に戻っている
と言えるだろう。
結局のところレイは、
自身の血統から逃げて最後に性を
名乗っているように感じられた。
更に言えば、
メインテーマと共に
ファースト・オーダーに立ち向かう
レジスタンスが結集する場面が
大きな見せ場としたいのは分かるが、
薄っぺらく唐突で劣化した
『アベンジャーズ エンドゲーム』の
一場面のようで何の感動も無かった。

無難に纏めあげられた完結編であり、
九部作の完結編としてだと
更に酷評してしまいかねない映画だ。
シリーズの懐古主義者ではないが、
EP6は何度鑑賞しても感動が深まる
のに対して、本作の結末には
薄っぺらさを感じた。
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