Eyesworth

ぼくとアールと彼女のさよならのEyesworthのレビュー・感想・評価

4.6
【最高のお見舞い】

アルフォンス・ゴメス=レホン監督のコメディドラマ。

〈あらすじ〉
友人と映画のパロディ制作に興じる日々を送る男子高校生。彼はある日、母親から幼なじみの少女を訪ねるよう言われる。その少女は白血病を患っていた。彼女の病状が悪化していく中で、彼はある行動に出る。

〈所感〉
主人公グレッグ演じたトーマス・マン。かの文豪と同じ名前だ。自称するようにビーバーみたいで愛らしく、性格は日本でいう根暗陰キャ逆張りオタク(それ言い過ぎ)だが、流石アメリカのティーンとあってオタク特有のキモさがない。オタクはやはり日本固有の文化である。グレッグとアールが自作するオマージュ映画は昨今のAVのようなエスプリの効いたタイトルでそれがまず面白い。「テニスに死す」「木綿仕立てとオレンジ」は笑った。この映画自体も映画好きなグレッグの特性を活かして、チャプター仕立てになっており、オリヴィア・クック演じる病床のレイチェルとどんどん距離が縮まっていくにつれ、これはよくある恋愛映画じゃないよという振りが効いてきて独特な面白さを出せている。作品の展開とメタとアートのバランスが非常に優れている良作だった。
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