さすらいの旅人

国際市場で逢いましょうのさすらいの旅人のレビュー・感想・評価

国際市場で逢いましょう(2014年製作の映画)
4.1
白いモンシロ蝶を見ると思い出す壮絶な人生ドラマ。WOWOW過去録画視聴。

また韓国映画に泣かされてしまった。
涙腺のダム崩壊で2次被害(嗚咽)発生です。もう許してほしい(笑)

本作の主人公は幼い頃、朝鮮戦争による父と妹の悲劇的な別離を体験。そして、母と残された二人の兄妹で歩む壮絶な人生ドラマは、言葉にならない。
主人公はどんな時でも、離別した父と妹のことが頭から離れず苦悩する。その苦悩を抱えながら、残された家族を必死守る姿は心打たれる。

本作は韓国映画得意のお涙頂戴映画とは一線を引いている。
朝鮮戦争はもちろん、韓国が高度成長している頃の社会情勢や庶民生活などが丁寧に描かれている事だ。特に一獲千金を求めて、西ドイツの炭鉱や戦火のベトナムへ出稼ぎする姿は、正に命がけだ。

本作はリアルな撮影も素晴らしい。朝鮮戦争の興南撤収の逃げ惑う群衆シーンや戦争離散家族捜し広場などは現実にカメラを持ち込んだ様なスケールで素晴らしかった。

本作は韓国で1400万人を動員した映画であり、見応え十分の良作です。