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国際市場で逢いましょうのPoMooNのレビュー・感想・評価

国際市場で逢いましょう(2014年製作の映画)
4.1
久々に心が揺すぶられて泣かされた〰〰😭 
時代背景もあるけれど、家族の生活を守る為、犠牲になり、それを当たり前の様に自己人生として受け入れた男ドクス(ファン・ジョンミン)の激動を生きた物語。フィクションではあるが実際このような人物がこの時代あちこちに居たんだろうと想像に難くない。

原作題名「国際市場」よりも【国際市場で逢いましょう】にした邦題が内容を的確に表し、情緒も入り光っていた。

1950年代、朝鮮戦争で北から釜山の父の妹の所へ逃げようと家族で米国船に乗り込む時、おぶっていた妹が墜落。父が妹を探すのに下船し、二人と生き別れになる。父からの「お前が家長、家族を守れ」の言葉を生涯守っていく。家族の生活の為&弟をソウル大学に行かせる為、ドイツに炭鉱労働者としての出稼ぎに行く。途中、炭鉱崩落で生き埋めになるが九死に一生を得る。生き返って戻ったら、海洋大学に合格したのに、妹の結婚費用と叔母の店「コップンの店」の買戻し資金の為、大学を諦め1974年ベトナム戦争最中、技術屋としてまたも出稼ぎに行く、妻の反対を押し切って。命からがらベトコンから逃げる時、ベトナムの娘が船から転げ落ち、かつての妹とダブり川に飛び込み助けるが、足を撃たれて負傷。誠実で実直な性格故に、そのどれもが見ていて切なくなる。

朝鮮戦争から30年過ぎた1983年頃、離散した家族を探すテレビ特別企画で、ドクスも生き別れた父と妹を探す。テレビ出演したドクスの場面は涙無くしては見れない。当時こういった人達が何十万といたであろう事実と再会できた人、できなかった人々の思いで胸が熱くなった。

ドクスが「コップンの店」を手放さない理由に、かつて父の『コップンの店で逢おう』と言った思いを知らない子や孫達にとってドクスは今や偏屈な頑固ジジイにしか映らない。時代に翻弄され、家族の幸せのために働いて働いた波瀾万丈なドクスの人生に、勿論、国籍、年代は違うが、己の事より両親・弟妹・子供達を優先に尽くして働いた亡き父と重なり個人的に泣けた、、😢
No1199
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