自由について
自由がなければ、(愛があっても)幸せとは言えない
ベル(エマ・ワトソン)が映画の中で、そのようなことを言っていた。この映画は、そういう話だったのだと思う。
ベルは読書を通じて想像の翼をたくましくしてきた。読書を通じて、そして父からの深い愛情を受けて、物事を曇りない眼で見る心を育ててきた。だからこそ人からは理解されず、変わり者と言われ、孤独を抱えて生きてきた。自由に生きることは、孤独に生きることを引き受けることでもあると私は解釈した。
この映画を観ながら、『アーサー王物語』のなかのひとつ、「ガウェインの結婚」という話を思い出す。すべての女性がもっとも望むことは、自分の意思を持つこと、という話である。自分の意思を持つというのは、自由に生きることと同じである。
最後の方、ガストン率いる村の人々が館で戦うシーンで、”洋服ダンス”から綺麗な布がたくさんスルスルって出てきて、その布が男3人に巻きついて、男3人が女装となるシーンがある。そのうちの真ん中の、1人の男の人が、その時、ふわっと笑顔になる。”これこそが自由”、という表情に。彼はその瞬間、自分を縛っていたものから解放された。その表情に、監督の言いたかったことが込められていると感じたのは、私の思い込みか?
愛の形は様々だ。