天豆てんまめ

我が道を往くの天豆てんまめのレビュー・感想・評価

我が道を往く(1944年製作の映画)
3.9
1944年にアカデミー作品賞含む7部門受賞した、笑って泣かせるこれぞ人生賛歌の物語といった作品。

20枚以上のミリオンセラー歌手として超人気だったビング・クロスビーが、傾きかけた教会を立て直す音楽大好きの心優しい神父を演じて、アカデミー主演男優賞を受賞。演技派スターとしても当時、頂点に立った。ちなみに彼が支える失意の老神父役のバリー・フィッツジェラルドも素晴らしい。彼も助演男優賞受賞。

全編が笑って泣ける王道ヒューマンで、ああ、この頃はフランク・キャプラ監督の「素晴らしき哉、人生!」や「我が家の楽園」と共に、古き良きヒューマンドラマ全盛の時代だったんだな、と改めて思う。とにかく、この神父を好きにならずにいられない。気持ちが潤う素敵な映画だ。

それにしても、撮影していたのは太平洋戦争大詰めの1944年。こんな明るいヒューマンドラマをそんな時代に量産してるなんて、アメリカの当時の体力とハリウッドの凄さを窺い知れる。

出来過ぎたいいお話でも、素晴らしい音楽と魅力的なビング・クロスビーのカリスマ性で、シンプルに感動させてくれるいい作品だと思う。