鑑賞を始めてすぐに、Netflixのドラマシリーズ『クイーンズ・ギャンビット』を思い出した。あのドラマはフィクションだが、原作はこの実話がモデルだったのかも？ と考えた。
ただ、チェスは天才かもしれないが、明らかに精神的に病んでいる主人公には感情移入のしようがない。そのせいか、中盤まで映画の世界に浸れなかった。正直に言って、いらいらすることの方が多かった。
その一方で、この作品が単なる個人の戦いではなく冷戦の一端を担っていたというのは、興味が惹かれた。大統領までがあのように介入してくるというのは、今の時代には考えられないのではないか。
もし、ボビー・フィッシャーが今に生きていたら、あそこまで病むことはなかったかもしれない。冷戦の犠牲者は数多いが、たぶん彼もそのひとりなのだろう。
［オリジナル音声+日本語字幕］2023/05/02 WATCHA
