賽の河原

64 ロクヨン 前編の賽の河原のレビュー・感想・評価

64 ロクヨン 前編(2016年製作の映画)
4.0
いや、もう映画的にどうこうとか以前にお話として非常に面白かったです。1週間しかなかった昭和64年に起きた少女誘拐事件、通称「64」。後編ではこの事件の本筋に迫っていくのでしょうが、前編の重厚さが素晴らしかった。
豪華なキャストは言うまでもなく、昭和64年の1週間がある部類の人々に与えるインパクトの禍々しさが半端ではないですね。1つの犯罪が残すものの重さ。それを取締る警察の責務と内部の腐敗の不条理、記者クラブとの調整。システムと個人を描いたテーマ的にもまさに「日本映画」として誇れる出来だと思います
佐藤浩市演じる主人公の魂が解放されてゆく様の美しさたるや。
上司部下の関係性ってのは佐藤浩市と綾野剛のようにあるべきだよな、とか瑛太演じる記者の憎々しさたるや、とか語るべきところのある映画でした。
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