2時間ワンカット長回しで撮ったというのがかなり面白い試みの作品。
大まかな場面だけが台本では与えられていて、登場人物のセリフはほとんどアドリブという、エチュード的な作品です。
主人公の女性、ヴィクトリアに起こったある日の2時間の出来事をリアルタイムで描いています。ストーリー的には目新しさはないです。
ただ、ワンカットで撮ることと、ほとんどがアドリブということによって「リアルさ」を感じることができます。
夜中から物語が始まるのですが、時間が経つにつれて空が段々明るくなっていきますし、登場人物のビックリする時などのリアクションも「素」なので、圧倒的なリアルさを表現できています。見ている僕たちがまるで登場人物の一人になっているかのような錯覚さえ起こります。それだけでも見る価値のある作品だと思います。
そして、ヴィクトリアのようにたった2時間で人生がガラッと変わってしまうこともあると考えるとちょっと怖くなりました。
撮影手法、アドリブに注目しながら、ハラハラできる作品です!