インフェルノのchihiroのネタバレレビュー・内容・結末

前作、全前作と比べて、暗い印象。原作に忠実といえば忠実。
全体的に原作を駆け足で追ったストーリーになっており、薄味に感じる。緊迫するシーン、困難に立ち向かうシーンなども、かなりショートに抑えられているので、いまいち見応えがない。特にボーボリ庭園からヴァザーリの回廊、ヴェッキオ宮への流れをもう少し魅力的に表現して欲しかった。残念。登場人物やシーンを減らしても、じっくり見せるシーンがあってもよかったのではないかと思う。
個人的にはゾンビ映画のような映像が受け入れ難い。
物語の核心に迫るシーン、寝返るシエナの表情がよかった。なるほどそうきたか、と思わせる芝居。
シムズをイルファーン・カーンに演じさせたセンスに脱帽。原作を読んだときは全く違う雰囲気の人柄を想像していたけれど、彼が演じるとそう見えてしまう。魅力的だった。
ラストが原作と違っていたのはある意味では予想通りだったので、問題無し。映画ではやはりアクションの末、悪を淘汰するのが正統派な終わり方だと思う。