タカナリ

RED COWのタカナリのレビュー・感想・評価

RED COW(2014年製作の映画)
2.5
ある富豪令嬢である凛凛は、自分と歳があまり違わない女性を妻にした父親と、父親が勝手に決めた婚約者に嫌気が差していた。
そんな凛凛は婚約者と共に日本へとやって来たが、婚約者を蹴って逃走。福島県会津若松市へと辿り着いた。

上海と福島県会津若松市を舞台にした日中合作映画。
個人的に注目は、凛凛役の中山絵梨奈。
どこかで見たことあると思ったら、「仮面ライダーウィザード」のメデューサ(人間体)役でした。公開時期から考えると、おそらく同じ時期に撮影したのでしょう。
メデューサ同様、生意気で上から目線な感じは上手かったです。いい蹴りでした。

面白かったのが、凛凛が泊まる事になる宿屋の雰囲気と、ドMな刺客。
まず宿屋ですが、接客係が若い女性ばかり。服装は肌の露出多めになってる着物。中には子供も混じっていて、大人と張り合っています。
そこは別に面白くないんですが、全体的になんかありそうな雰囲気がすごいんですよね。全員訳ありな感じがします。だけど何も語られません。
宿屋は仮の姿で、実は裏で暗殺業とかしているのかも。実は全員元犯罪者で、理解ある女将が全員引き取っているのかも。
そういうの考えるのが楽しいです。

あと、凛凛を上海に帰すために来たドMの刺客ですが、ドM過ぎて引きましたし、子供相手に本気出すとかクソダサかったですね。しかもその子供にボコボコにされてるし。
あの変態さとあの状況が面白かったです。

ただ、全体的にメチャクチャ中途半端です。
キャラクター設定も中途半端だし、深掘りもしてないし、アクションもやりそうでやらないし、結局何がしたいのか分からないし。
凛凛をガイドする真鍋は一体何がしたいのか分からないのが一番問題。せめて彼の素性は明かして欲しかったです。あと、鍛えているんだったらもっと強さを見せて欲しかったです。
凛凛の父親にしても、怖さがありません。「あ、こいつに逆らってはいけない」という怖さを、見ているこちら側にも分からせて欲しかったです。そもそも、父親中国語話して娘が日本語を話すのが謎。
凛凛の家出旅だけにシフトすれば、ある程度は上手く行ったのかも。

思想がすごく片寄っているように思いましたが、会津若松市の方々はこれを見てどう思うのだろうか。