ユースケ

ワンダーウーマンのユースケのネタバレレビュー・内容・結末

ワンダーウーマン(2017年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

怖気付く男ども尻目に塹壕の梯子を登り、地獄の西部戦線に身を投じるワンダーウーマン。英仏連合軍とドイツ軍の塹壕に挟まれたノーマンズランドをザ ツネハッチャン(元2700)の常道裕史(元ツネ)のように右ひじと左ひじを交互に見せながら駆け抜け、ジャンヌ・ダルクのように男どもを率い、Hans Zimmer & Junkie XLの師弟コンビによるテーマ曲をバックに爽快なアクションを披露する彼女こそ、ノーラン病に侵さたDCEU(DCエクステンデッド・ユニバース)を救う希望の星だ。

【バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生】の唯一の収穫であったワンダーウーマンの誕生譚を描いたDCEU第4弾である本作は、【ローマの休日】をベースに、ワンダーウーマンがクリス・パインを助ける【リトル・マーメイド】や【スーパーマン】へのオマージュをはじめ、男尊女卑な会議でぶち切れたり、ドイツ軍をぶちのめしたり、男根主義に中指を立てるパティ・ジェンキンス監督のメッセージの詰まった一本。

とにかく、ガル・ガドット演じる主人公のワンダーウーマンのハマりっぷりを越えるクリス・パイン演じるヒロインのスティーブ・トレバーのハマりっぷりが秀逸。
ワンダーウーマンがスティーブ・トレバーの風呂を覗く逆【ドラえもん】(正しくは逆【ディアナの水浴】)シーンで、「ねぇ、あなたは男としては標準的?」とワンダーウーマンにチ●コの大きさを聞かれ、「僕(のエンタープライズ号)は標準以上だ!」 と答えるスティーブ・トレバーには爆笑必至だし、人間が戦争をするのは軍神アレスに操られているからだと思い込んでいたワンダーウーマンに、人間が戦争をするのは人間は善良なだけの存在ではないからだけれど、それでも人間を信じて欲しいと力説するスティーブ・トレバーには号泣必至。
エンドクレジットで流れるワンダーウーマンとスティーブ・トレバーの事を歌っているようにしか思えない歌詞がたまらないSiaの【To Be Human feat. Labrinth】も要チェックです。

しかし、【ハリー・ポッター】シリーズのルーピン先生にしか見えない軍神アレスの登場から【バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生】を思わせるビームを撃ち合うラストバトルの流れはハッキリ言って蛇足。
ワンダーウーマンは対アレス用兵器だった事や神々は人間によって滅ぼされていた事など、聖書やギリシャ神話を絡めたアレスの話が衝撃的だっただけに残念。しかも、蛇足部分は追加撮影だったなんて…こんな盛り上がりいらないよ。

とりあえず、「男は生殖には必要だけど、快楽には必要ない」と名言をかますワンダーウーマンは女性解放のイメージキャラクターなのに、日本版イメージソングが乃木坂46の【女は一人じゃ眠れない】なのはイカれてるとしか思えませんでした。