ムック829

リリーのすべてのムック829のレビュー・感想・評価

リリーのすべて(2015年製作の映画)
4.2
妻に頼まれて女性モデルの代役をした夫アイナー。自分の中に眠る女性「リリー」に目覚めてしまう。

アマプラで滑り込み鑑賞。これは凄かった!どんどん男から女になっていくエディ・レッドメインの役者魂が凄い!
最後まで夫を支えた妻ゲルダを演じたアリシア・ヴィキャンデルも素晴らしかった。
そしてまさかの実話。観終わってもまだ信じがたくて呆然…これだから映画はやめられない。

エディ・レッドメインは元々中性的で綺麗な顔立ちで爽やかな男性ではある。
でも女装したところでやはり男。遠目に見たらアリかも…と思う程度には綺麗でも、よく見たらまあ無理。
そこはかとなくKABA.ちゃん臭が漂っていて、口説いている男共を見て「お前らの目は節穴か?」と思わずにはいられない。

ところがである。帽子を被ったアイナー(リリー)はもはやそんじょそこらの女性より綺麗に見えてきてしまう。
やがてどんどん女性リリーが占める割合が大きくなっていき、素っぴんでもそこはかとなく色気が漂いだし…。
あんな人が歩いてたら間違いなく二度見する自信がありますわ。そんな生き物に変貌していった。
裸になってアレを又に挟んで鏡を見つめてうっとりする彼(リリー)は衝撃的すぎて見てらんない!

さらに終盤は狂気な展開が待ち受ける。これはさすがに予想外だった。
私からしたら「それを捨てるなんてとんでもない!」とドラクエの台詞が頭をよぎったのは言うまでもない。

もはや夫ではなくなった彼を献身的に支え続けるゲルダがさすがに可哀想になったが、
ラストシーンの美しさとゲルダの笑顔にどうでもよくなった。
結果的にリリーは救われたんだ、と言わんばかりの気持ちのいいラストシーンだった。

事実は小説より奇なりを体現した、儚くも美しい映画。イビツな夫婦愛を貫いた物語でもありました。
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