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TAKING CHANCE/戦場のおくりびとのtotoruruのレビュー・感想・評価

4.8
感動が幾重にも押し寄せてくる素晴らしい作品。


ストーリーは…

かつては戦地に赴いていたが、今は軍で内勤の任務に就き家族と幸せな生活をしている海兵隊員マイケル。ある日、イラクでの戦死者リストの中にチャンスという同郷の若者の名前を見つけたマイケルは、彼の遺体をワイオミング州の家族のもとへ移送する任務に志願する。遺体は専門家たちによって丁寧に清められ、遺品とともに棺に納められる。マイケルはチャンスに対して心からの敬意を払いながら、飛行機や車を乗り継いでワイオミングを目指す。

といった物語で、実話を元にした作品です。


淡々と物語が進み、大きな事件などは起きませんが、ちょっとした出来事や演出が絶え間なく心に染みてくる。

いくつのシーンで涙したか分からないほど、感動が自然にスッと心に入り込んでくる素晴らしい脚本・演出でした。


そして脚本・演出の良さを何倍にも引き出すケビン・ベーコンの演技ときたら…

今作品で、ゴールデングローブ賞テレビ映画部門の主演男優賞を受賞したそうですが、納得の素晴らしい演技でした。

僅かな表情の変化で泣かせてくるケビン・ベーコンに脱帽です。

そして、軍の制服がビシっと決まってカッコいい姿も拝見できます。

とりわけ敬礼姿の美しさは必見です。


感動したシーンを挙げようかと思ったけど、余りにも多すぎて長くなるので我慢します。



驚いたのは日本人が思う以上に、アメリカは軍隊や戦争そして戦死者が身近な存在であるということ。

全ての関係者が敬意を以て戦死者を受け入れ、そして家族の元へ帰るための手伝いをする。

遺体をキレイにするシーンで、キレイになった足のアップで水滴が一筋伝い落ちるところが、まるで涙のようで何とも言えない気持ちになりました。

そして家族の待つ家までの帰り道では、国民が絶え間なく兵士の尊厳を重んじ哀悼の意を表す。

戦場から故郷までの道程で、たくさんの人々の気持ちが凄く伝わってきて、哀しみだけでなく温かさと強さが感じ取れました。


行く先々で人々の気持ちに触れる、一風変わったロードムービーの趣きもあります。

そして既成の戦争映画とは全く違った角度から作り上げた、新しいタイプの戦争映画だと思います。


素晴らしい脚本・演出、素晴らしい演技で文句なしの感動傑作です。





実はこの作品ずっと観たかった作品なんです。

HBO制作 のTVムービーのせいか、日本ではDVD化されておらず、フィルマでも動画配信先が書いてないため配信は無いものと諦めてました。

ところが、なんとアマプラで配信しているのを発見!
しかもプライム会員は無料じゃないですか!

因みに配信タイトルは原題の『TAKING CHANCE』です。

プライム会員の方は観なくちゃ勿体無いですよ。

って言うか、コレ観るためだけに一時的に会員になってもいい位の価値はある作品です。
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