シネラー

ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破のシネラーのレビュー・感想・評価

4.5
"序"に続いて、
こちらも劇場で再鑑賞。
大衆的に大いに楽しめる傑作だと思う。

TVシリーズと大差がなかった
"序"と違い、新劇場版ならではの
独自路線へと移行していく第二作。
個人的には、
登場人物達の親密な交流が
深く描かれている印象を受けた。
シンジ、レイ、アスカの
TVシリーズよりも温かい関係には、
観ている側もポカポカする。
だからこそ、
中盤の展開が残酷でもあり、
終盤にかけては熱い展開を見事に
演出しているとも言える。
築きあげた友情や父親への信頼が、
父親の裏切りとも言える行為によって
破壊されるも、
自らの意志で再びエヴァに搭乗する
碇シンジはシリーズの中でも
一番格好良いと思う。
TVシリーズにおける初号機の覚醒が
初号機その物の覚醒であったのに対し、
本作における覚醒は碇シンジ自身の
覚醒だと感じられた。

エヴァのアクションシーンに関しても、
全編通して飽きる事がなく、
巨大兵器を軽快に動かしながらも
重量感を損なわないで描くバランスが
素晴らしいと思う。

不満点としては、
本作からの新登場するマリの
物語としての唐突な登場が挙げられる。
しかしながら、
彼女のキャラクター自体は
個人的に好きではある。

人間ドラマ、アクションに富んだ
見事な続編であり、更なる続編が
とても楽しみになる作品だと思う。
"序"と"破"までは、
そこまで理解に追いつかない程に
わからない作品という訳ではなく、
大衆的にも理解し易くできていると
感じられた。
シネラー

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