mさん

ヒメアノ〜ルのmさんのネタバレレビュー・内容・結末

ヒメアノ〜ル(2016年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

ペラペラ自分の気持ちをいう
会話として不自然

だけどそれはあの森田くんをこの世界に馴染ませるためなのかもしれない


森田くんのキャラについて
森田くんという次に何をするかわからない感じの演技やキャラ造形がすごい。
ものにあたってブツブツ
喋ったりする部分は本当にいそう。

「どうせ死刑」と言ったり、「人生終わってるんだよ」と諦めてたり、悟ってるからこそなんでもできてしまう怖さが森田くんにはあって、すごく怖かった。それで殺されていく被害者たちが森田くんに逆らえなくなってしまう感じもまた怖かった。

動じてない人、
悟ってる人、
自分だけの世界を持ってる人には
なんの言葉も入っていかない。
だからすごい関わりたく無いと思ってしまって、相手の言うことに従ってしまうっていうさりげない心理が森田くんによって暴力的に表現されてた。最近、身近にそういう経験をするのでハッとした。

ジェットコースターみたいな感情に、肉体が動かされて、「止まる」っていう運動をせずに身体を前に倒して歩く感じが怖すぎる。カフェの中で女を探しにいく部分とか。

森田くんという人間が自分の人生に存在しなくてよかったと思う。だけど、怖いのが森田くんが生まれたきっかけが高校のいじめで、それは普遍的なことというのが怖かった。自分も見て見ぬ振りしたり一緒になって参加したことが一度はあるなら、森田くんを生み出した当事者のように思えるだろう。

濱田岳というなんにも自分の意志がない人が痛い目を見るっていう展開はありふれてるんだけど、新鮮だったのは「森田くんにすら覚えられてない」っていうこと。受け身すぎてあまりにもドラマティックなエピソードがないという描き方が面白かった。やっぱり受け身だと痛い目に遭うって言うことなのかなと思った。

ムロツヨシさんが浮いたキャラなのはどうしてなんだろとおもってた。多分ムロツヨシさんも森田くんと同じくらい周りから見たら変なヤツで、森田くんと紙一重な感じを出したかったのかなと思う。ムロツヨシの突発的な行為は面白いと思えるけど、森田くんの突発的な行為は怖いと思う。

車のドライブをしてるときに緊張感を出す為に
カメラを急にズームする感じが面白かった。

セックスと殺害を同じような画角でカットバックさせる演出。地獄と天国は紙一重に思えて効果的だった。
mさん

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