矢嶋

あるメイドの密かな欲望の矢嶋のネタバレレビュー・内容・結末

あるメイドの密かな欲望(2015年製作の映画)
3.4

このレビューはネタバレを含みます

フランス映画らしく画は素敵で話はとっつきにくい。

自然光を上手く使った明るい画面に、雰囲気のある衣装や美術、風景があわさって視覚的な魅力はすごい。多くの人が言う通り、レア・セドゥの容姿も華がある。
このように視覚的には上品っぽいのに、出てくる人間は大半が下劣。

この手の作品なら意地悪な主人とひたすら献身的な主人公みたいにしそうなのに、セレスティーヌは開幕から不満たらたらで不機嫌。挙句、主人の食べ物勝手に食べといて逆ギレする始末で、確かに可哀想なんだけどそこまで同情できない。

最後ジョゼフにいってしまうのが、今一歩納得できる感じがしない。多分、どこに行っても支配階級は下賤な人間ばかりで、あの時代の若い女性は努力でそれを覆せない。結果、かえって支配されることが心地よくなってしまった悲痛さみたいなことなんだろう。
それで、最初は訝しんでいた相手にいくのがなんとも。確かに計画的で周到とも言えるが、それ以上に怪しい人間という印象が強く、支配がお望みなら主人にも好かれたのだしあのまま勤め続けてもいいんじゃ…?そもそも、本当に彼に惹かれていたのか、そうするしかなかったのも確証がない。

この辺りをくどくど説明しないのが、良くも悪くもフランス映画っぽいなという感じだった。
矢嶋

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