JunIwaoka

5時から7時の恋人カンケイのJunIwaokaのレビュー・感想・評価

5時から7時の恋人カンケイ(2014年製作の映画)
4.5
2016.7.2 @ iTunes Store On Demand

倫理的に言ったら手放しで素晴らしいなんて言うことの出来ないラブストーリーだけど、グッと胸をこみ上げる切なさと清々しい余韻が残る素晴らしい映画。
5時から7時までの特別な人と過ごす特別な時間。アリエルが「私は古風な女なの」というように、現代的で実質的な価値観に傷ついていて、淡い恋心によって輝く表情は魅力的。浮き沈みする感情は長く一緒にいる相手に求めるものとは違うから、ルールのある関係性だからこそ、ただ並んで歩き話すだけの何気ないことがとても愛おしく感じ、純粋な気持ちは色褪せることはない。それを分かっているアリエルと、背中を押され人生が動き出したブライアンの若さが、もどかしくすれ違いながらも相手の気持ちをくんで、受け入れることに胸を痛め心打たれる。並んで立つことのない場所にも特別な思い出が心に残る。「好きな物語はきっと誰かのために書かれたもの」という一言に涙が溢れる。

突然事故死してしまったアントン・イェルチンの追悼の意をこめて観た。予告を見た時から面白そうだったし、時間出来たらと思ってたら、こんなタイミングになってしまって残念。Like Crazy (邦題:今日きみに会えたら)以降、久しぶりのラブコメディで、やっぱり彼の若さと脆さはとても美しいなって感じたから若くして亡くなってしまったのは心から惜しい。
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