JunIwaoka

WAVES/ウェイブスのJunIwaokaのレビュー・感想・評価

WAVES/ウェイブス(2019年製作の映画)
4.5
ある家庭が崩壊し、その罪に嘆き苦しんだ末に赦すことで再生する話。映画で描かれる宗教的なテーマはどうしても理解できないものと遠ざけてしまうが、青春映画のようなテンションではじまり、2010年代の曲とリンクした現代的なトーンの語り口と、誰にでも起こりえるきっかけの転落と浮き沈みに、彼らの苦悩を身に沁みて感じた。

無敵と感じられる10代の頃の自信(僕には無縁でしたが、、、)で押し殺す父親へのコンプレックス。若さゆえの可能性の苦しみに自分も家族も気づいていないことが悲劇のはじまり。何かを諦めるには若すぎるから受けとめ切れない気持ちを理解できる。
追い詰めた愚かさと、守れなかった虚しさの渦中で、兄の影に埋れていた妹へ視点が移る。失意の中で差し伸べられた手に戸惑いながらも、その力強さと温もりに取り戻す心。苦しいときこそ同じ苦しみを知るものが寄り添って力になることができることに気づいて、目に見えない家族の絆を想う。か細い歌声のJust don't leaveが響き、ようやく前を向いて胸を張る姿に胸をすくわれる。

A24がMoonlightの色彩感覚やカメラワークの成功手法を臆するこなく多用していて、感性に訴えかける力がありました。A24すごいぞ案件でした。