はま

アイヒマン・ショー/歴史を写した男たちのはまのレビュー・感想・評価

3.7
久しぶりに歴史物の、ナチス、ホロコーストといった内容の作品。これまでちょこちょこ鑑賞してきた題材ではありましたが、見たことのなかった映像ばかりでやっぱり泣いてしまいました。

観てたら家族に「これ視聴制限かかってないの?」って言われたんですけど、そういうのじゃないんだよ…遺体の映像はそういうのじゃないの……
どれだけショッキングでも、見て聴いて、伝えていくのが大切だから、多くの人に見て欲しい作品です。

アウシュヴィッツの最終処分決定(大量虐殺)を下したとされるアドルフ・アイヒマンの裁判。今作はその裁判を「全世界に伝えるため中継した人達」のお話。
わざわざそちらにスポットを当てる意味とは、とも考えながら観てましたが、なるほど納得のテーマでした。

裁判でアイヒマンが見せた「表情」。一貫してそこにこだわる監督。
実際の映像を織り交ぜながら(終盤はほぼ実際の映像)鑑賞する内容は、まさに当時この放送を観ていた大衆の感情になりました。

残念ながら人間は、「600万人の虐殺」と聴くと自分とは程遠い出来事と感じてしまう。でも、「妻と子供が虐殺された」と聴くと、それは誰しもが理解し得る悲劇になる。
当時の大衆の関心はこうして傾き、真実を知っていったのかと分かる展開でした。

映画だけでは知れなかった物事なんかも、調べれば調べるほど出てくるので、また時間があるときに読み進めていこうと思います。
当時の裁判が大衆の関心を呼んだように、この映画も、現代の大衆のそういったキッカケになればいいな。
はま

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