映像の力でアイヒマンの人ととなりをさらけ出させようとする主役は敗北したのだろうか？
あれ程の痛ましい虐殺映像を見て何も変わらないアイヒマンは感情が壊れているのだろうか？
映画は明確な答えを出さず事実だけを写し出す。
その答えは当の本人たちしか分からない、知り得ない。
うちひしがれる主役に、ホロコーストの生き残りであるホテルの女主人が、私たちの話を今まで嘘だと言ってきた人たちが聞いてくれるようになったと、チョコレートケーキを振る舞ってくれるシーンがある。
ケーキに詰まった思いを主役が受けとり食べる表情にぐっときた。
