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ラ・ラ・ランドのmitakosamaのレビュー・感想・評価

ラ・ラ・ランド(2016年製作の映画)
3.3
これをどう評したらいいかだいぶ悩む。僕は面白いと思ったのだが、僕の周りは総スカンだったんだな。ただ「つまらなかった」という人の感想もわからんではないから複雑なんだ。

やはり鍵は“60年代クラシック風ミュージカル”の様な“現代劇”という点だと思うのだ。
iPhoneもあれば自動車はプリウスな、あくまで舞台は現代。
でもファッションを含め全体の雰囲気は凄いクラシック。
この特殊な作風の意図をちゃんと汲んであげないと、この映画の本質は掴めないんじゃないか?

女優の卵ミアにエマ・ストーン。仕事の無いジャズピアニストセブにライアン・ゴズリング。
夢を掴もうとする二人はお互い引かれ合うが、だんだんすれ違う。
ミアは一人芝居が失敗。セブは金のため望まないバンドに加入。
恋と夢が両立しない残酷さ。

お互い夢を叶えたが、結ばれることは無かった二人。
回送シーンでのみ二人は結ばれる。

この物語はさ、“人生はやり直せない”けどフィルムを巻き戻すように思い出せば“過去を美化して振り返ることができる”ってことなんだと思う。
だからこそ“クラシカルなフィルム”のような映像美が必要だったんだよ。
過去は名作映画のように美しい。そう言える人生は豊かなものだ。

まぁ、何よりミュージカルシーンは本当にワクワクする。それだけでも見る価値あり。
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