このレビューはネタバレを含みます
自由な音楽が彩る人生賛歌の物語。
お話の筋、流れとしては一組の男女の出会いと別れ、くらいのものである。しかしこの作品全体に漂う空気はまるで、音楽、ジャズのようにどこまでもリアルである。ミュージカル映画だからこそ、なのかそれとも、この筋書きを引き立たせているのがミュージカルの要素なのか。兎も角、互いに必要としているのが人生と夢の関係性としても描かれているように感じられた。
言うまでもなく音響効果が良い。主要な立ち位置を占める劇中曲はもちろん、シーンの脇を固める音を流す、止めるのスイッチが効果的に使われていたように思えた。
踊ること、とは？歌、とは？音、とは？一体何なのだろうか。踊ることでしか、歌うことでしか、鳴らすことでしか表わし得ない感情が、誰にだってあるはず。2人がそれを表現する舞台が少しずつ変わっていくような描写がサクセスストーリーとしての側面を維持しているのも見事だった。
