ヤンデル

ラ・ラ・ランドのヤンデルのレビュー・感想・評価

ラ・ラ・ランド(2016年製作の映画)
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・背景の物にペンキで色を塗る、原色の衣装を使うなど、カラフルなミュージカルの印象がある映画だが、それは前半の夢を追いかけているパートの演出であり、後半は芸術とエンタメ、夢と現実で悩む二人を描き、徐々に現実的なくすんだ色合いになる。最後の夢のシーンで再びカラフルになる。

・マーティン・スコセッシの映画「ニューヨーク・ニューヨーク」がベースになっている。同作はモダン・ジャズ奏者のデ・ニーロとエンタメ志向のライザ・ミネリが恋人同士でありながら対立し、別れてしまうストーリー。

・「ラ・ラ・ランド」は低予算インディペンデントで制作する予定であったが、デミアン・チャゼルの「セッション」のヒットにより、大予算の映画で制作されることになった。その芸樹志向とヒット映画の間の葛藤が劇中の二人の言い争いに現れている。

・同時に、デミアン・チャゼルも当時一緒に仕事をしていた恋人と別れており、その経験も脚本に反映されている。

・前半のロケで町にある物にペンキで色を塗って撮影する手法はジャック・ドゥミの「シェルブールの雨傘」の影響。同作も、別れた恋人たちが数年後にラストで会う構造になっている。

・ライアン・ゴズリングはこのためにピアノをトレーニングし、劇中で自ら演奏している。

・主人公のライアン・ゴズリングにバンドを組むことを持ちかける黒人はソウル歌手のジョン・レジェンドであるが、彼はギターはやっていないので、トレーニングの上でやっている。

・カメラがワンカットでプールに飛び込むシーンは「ブギーナイツ」へのオマージュ。

・「バビロン」ではハリウッドの暗部、汚い部分を強烈な表現で描いたため、映画としては興行的に失敗している。
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