Jin

インクレディブル・ファミリーのJinのレビュー・感想・評価

3.6
“なんだかおかしくない?
「家族のために離れ離れ」
「正義のために法を破る」って。”


ヒーローの存在が違法になってから15年、裏稼業として街を救いながら、肩身の狭い生活をしてきた能力者家族。そこに舞い込んできたヒーロー合法化の支援と、テクノロジーを過信する社会を憎んだ新たな敵。「なにが正しいのか」に苦しみながら戦うスーパーヒーロー一家の物語。


やっぱり設定が面白いんだろうなぁ、「スーパーヒーローの家族」っていう。
家庭があるという人間味が可笑しくて笑っちゃう。

スーパーヒーローのスーパー能力には夢があるし、ワクワクして楽しいなぁ。

「ヒーローは街を壊すからいらない!という社会の声に苦しむ」前作の設定を引き継ぎながら、今作ではさらに家庭と仕事の両立という現代社会っぽいテーマを盛り込んだ。

「スクリーンに支配された世の中を否定する」みたいな社会批判メッセージを込めた悪役の設定はいいと思う。完全には否定できない悪役は今の流行りだし、その方が共感もできる。

ただ、主夫と働く母親、という世相に乗った話にしたのはいいけど、政治の話とも混ざり合って、「夢のあるヒーローの話」感が薄らいじゃった気もする。
おまけに他のヒーローがたくさん登場したことで、キャラ個人の話が浅くなってしまった。

前作のキャラクターがでてくるとノスタルジーで興奮するし、世界設定の面白さは健在だったけど、ワクワク感では超えてこなかったなぁと思った。

社会的事象を取り入れるバランスって難しいと思うし、しかもそれを続編に、大人も子供も楽しめるように配分するのって至難の技なのだと思う。

期待値が高かったのもあるから、それを抜きにすればじゅうぶん楽しかったし、もっと続編がみたい!
Jin

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