ゴン吉

LION ライオン 25年目のただいまのゴン吉のレビュー・感想・評価

4.1
インドでは毎年8万人の子供が行方不明になるという。
本作品は、迷子になった5歳のインド人少年の軌跡/奇跡の実話です。
デブ・パテルが主演、ルーニー・マーラがヒロインを演じ、ニコール・キッドマンが共演。サニー・パワールが子役を演じる。

1986年、インド・カンドワの田舎町。
母と兄、妹の4人で暮らす5歳の少年サルー(サニー・パワール)は、兄が大好きでいつも一緒。
ある日、兄が1週間働きに出かけるという。
サルーは無理を言って兄についていくが、夜中に駅のホームのベンチに眠り込んでしまう。
兄はサルーを寝かしたまま一人で仕事に行く。
その後、サルーは目覚めて兄を捜しまわるが、停車していた列車の中で寝込んでしまう。
やがてサルーが乗ったまま列車は動き出し、サルーの見知らぬ大きな町に到着する。
サルーは家に戻ろうとするが、言葉も通じずにストリートチルドレンとして生活する。
怖い思いをしながらも警察に保護されて、児童施設に送られるが、1987年にオーストラリアの夫婦の養子として迎えられる。
それから20年後の2008年、青年となったサルーはメルボルンの大学に通い、彼女もできて何不自由なく幸せな生活を送っていた。
あることが切っ掛けで、故郷に残した母が恋しくなり、育ての親には内緒でインターネットで実家を捜そうとするが......

知らないうちに1600kmも列車で移動したサルー。
インドならではの多民族国家で言葉も通じず、独りぼっちになってしまう。
そんな幼少期のサルー役をサニー・パワール君が好演しており、彼の輝く目がとても印象的です。
オーストラリアの里親さんには頭が下がります。
自分の子供を作ることもできるのに、そして養子に迎えることですら大変なのに、あえて自分の子供を作らずに不幸な子供を養子として引き取り育てます。

ラストはハッピーエンドかと思いきや。
油断してました。
実話ならではの辛い現実が待っていました。
終盤は涙です。

2022.5 NHK BSP で鑑賞(字幕:戸田奈津子)
2019.5
ゴン吉

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