『ボカシが遠くから追ってくる』
デトロイトは廃墟の街だな。
あそこに住み続ける人の気が知れない、というと言い過ぎだけど。「ドント・ブリーズ」と同じ街だよ、やっぱ気が知れないよ。
怖いものが追い続ける恐怖、と言えば「ターミネーター」的な事なんだけど、こちらはホラー。実にゆっくりと恐怖を盛り上げる。
実は家のテレビで観るより劇場の出来るだけ大きなスクリーンで観るべき作品。何故ならシネマスコープ画面の片隅にボツンと「それ」がやってくるから。ゆっくりでも確実に。
この「それ」がホントに怖い。
ただこの「それ」、時々真っ裸でやってくるんだよね。当然ボカシ付き。小さな点がだんだんボカシになるのはほとんどギャグですよ、まったく。
少し残念なのは、この「それ」の明確なルールがよくわからない事。
「それ」がどうやって生まれたとかはどうでもいいんだけど、どこまで近づくとアウトなの？ どれぐらいの速度で移動するの？ どうやって殺すの？ 実存してるの？ 移動し続けると捕まらないの？密閉空間(シェルターとかセイフハウスとか)にいれば平気なの？とかとか。
そういう事が気になり出すと割りと思考が停止しちゃう私。
主人公を好きな男の子がいじらしくてさ。主人公が別の男とセックスしても何も言えないの。切ないよね。
マイカ・モンローは絶世の美女って訳でもないしモデルのようなスタイルでもないんだけど、目が離せない感じ。
何故被害者は若者ばかりなのかとか、何故セックスなのか(「それ」の主人公の男友達の殺し方に注目)とか言い出すときりがない、いろいろ語り合いたい一作。
CS(ザ・シネマ18.04.12録画)にて。18.05.20
2018#053
