うえの

ワイルド・スピード ICE BREAKのうえののレビュー・感想・評価

4.1
記憶の戻ったレティと改めてハネムーンとしてハバマに出かけていたドム。
そんな幸せ絶頂の中、ドムの目の前に現れた謎の美女サイファー。彼女がドムに見せたあるデータをきっかけに始まるファミリー崩壊の危機を描いたシリーズラスト三部作をショッキングかつド派手に幕開けさせる第8作。

まずこのシリーズを前作で終わらせなかった点に驚いている。
あれだけキャストと作品を想って製作された上に傑作とされる作品はそうない。
そしてそんな続編がまったく見劣りもしないクオリティなことにもすごく驚いている笑。

予告の時点でひどくシリアスな展開を予想していたのだが、シリアスの中にもコメディな要素が強く、いわばシリーズ最高のシリアス展開かつコメディ展開どちらも併せ持っている作品と言っていいはずだ。
そしてそれはもちろんドウェインステイサムという2人のハゲがやりたい放題しているからである笑。

まずドウェインジョンソンことホブス。
冒頭から全力で雄叫びをあげている。娘が所属するサッカーチームの監督として笑。
負けたらテイテイのコンサートへチームの女の子を連れていかなければならないだから仕事どころじゃないんだ!!!
と捜査官復帰への第一歩を有無も言わさず拒否!良いパパすぎる!でも仕事してパパ!笑
もはや相棒とも言っていい関係になったドムに捜査への協力を持ちかけるもまさかのドムの裏切りで重傷を負った上に刑務所にぶち込まれる。

そして刑務所に既にぶち込まれていたもう1人のハゲ、ジェイソンステイサムことデッカード。
前作までのクールな復讐者の雰囲気皆無の低レベル過ぎて笑える煽り合いをホブスと防弾ガラス越しに披露笑。
刑務所での乱闘騒ぎに乗じて脱走するもミスターノーバディの采配でドム確保チームにまさかの参加。
おそらく今作のデッカードを観てだいたいの人が思うこと2つあると思う。
まずハンを殺した張本人である彼を何の許しも裁きも無しにファミリーの救世主のような存在として迎え入れるのはいかがなものかということ。
そしてそのことがチャラになりかけるくらいデッカードがジェイソンステイサムしていて
最高だということである笑。

割とアクション映画観ている方かと思っていたが考えてみたらジェイソンステイサムのアクションあんまり観たことなかった。
しかしこの人すげぇ動きはえぇ笑。んでつえぇ笑。その上おもしれぇ笑。
前作無理してたんじゃないかってくらい生き生きとしている笑。
後半の絶体絶命のタイミングで飛行機に乗り込んできたショウ兄弟が登場するシーンがおよそこの作品1番の盛り上がり所でその後の飛行機内の敵をドムの赤ちゃん片手にあやしながら制圧するシーンがこの作品1番の笑い所であろう笑。
とりあえず今作のデッカードはズルい笑。
アクション映画好きにジェイソンステイサム嫌いの人なんて存在しないのではないかと感じさせた。

ドムの裏切りの理由が何かなー何かなーと気になっていたがまさかのエレナとの関係がそこまでいってたは思わなかったし、単に浮気者とも言い切れないやるせない理由だった。
普段クールなドムがサイファーに対して声を荒げるなど感情的な一面も見せていたあたりエレナに対しての罪悪感は強かったんだろうなと思った。

そんで1番良いなと思ったのがブライアンへの配慮。スカイミッションからの続編ということでおそらく今までの話はリセットされてしまうんじゃないかと思っていた。
姿こそはもちろん見えるわけはないが、作中でブライアンはミアと幸せに平穏に暮らしていて、そんな彼らを騒ぎに巻き込ませないようファミリー全員が気を遣っている、という雰囲気になっていてとても良かった。
いなくなってしまったキャラクターを尊ぶのにこういう方法もあるんだと感動した。
そして最後ドムのセリフ。
ブライアンは今も生きていて、その魂は息子に引き継がれていくんだという想いがこもっていてすごく良かった。

ヘレンミレンママ率いるショウファミリーも参戦ということでファミリーの垣根を超えた新たな関係がスタートした作品。
ラスト三部作と銘打った割には次作への布石が少なかった気もするが逃亡したシャーリーズセロンがどうパワーアップして帰ってくるか、そもそも帰ってくるのかも含めて期待しておきたい笑。
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