AYUMI

マネー・ショート 華麗なる大逆転のAYUMIのネタバレレビュー・内容・結末

4.0

このレビューはネタバレを含みます

マイケルムーアのドキュメンタリーがすごくスタイリッシュになったみたいな、登場人物それぞれに「いるいるそういう人!」って思ったし、銀行名とかもそのままだし、これドキュメンタリーだよね?とたまに錯覚する映画だった。

エンタメであることを優先して、難しそうな細かいことを端折ってしまう映画が多い中、ここまでしっかりと事実を詰め込んだ映画ってなかなかないんではなかろうか。

金融商品のいろはを知らない人には理解が難しいかもしれないけど、このストーリーを語る上で欠かせない事実は端折ることなく、でも真面目くさることなく登場人物たちのクスッと笑える小ネタは全編に満載で、ハッとさせられるようなセリフ、メッセージもある、すごく上質な作品だった。

目論見書は書いた人しか読んでないとか、GSの嘲笑しつつヒソヒソ話す担当者たちとか、AAAつけないと顧客がムーディーズに持ってっちゃうからと半ギレで堂々と言っちゃういかにもいそうなS&Pのおばちゃんとか、中途半端なインテリアメリカ人のディスり方サイコーだし、田舎のローン貸付業者のバブっちゃってる二人のアホ感もサイコーだった。マークと、不動産のおばちゃん〜ローン業者〜ストリッパーとのやりとり、超ありそうでめちゃくちゃ面白かった。

個人的にはマークと対チーム、対現地リサーチ、対家族の関係性がすごく染みたなぁ。

ブラピ(役名忘れ)がラスベガスで放った発言「CDSで儲かるということは人々が苦しむこと」と、最後のマークの「銀行員の愚行のツケを払うのは一般人」いうところは、正義感強く、モラルある人間だけが苛まれるこの社会について、考えさせられました。

セレーナゴメスの説明、CDO全体像の説明としては不十分だけど、一側面についてはとてもわかりやすく説明していて素晴らしかった。

自分で考える人が少ない社会は実に危ない。
それを伝えるためにこんなに面白い映画にしてくれる人たち、マジ天才!
アメリカ映画大好き!ありがとうハリウッド!
AYUMI

AYUMI